Feb 12, 2009
来週はスペインに海外出張。家も大詰め、仕事も大詰め。
なのに、本人登記を電子申請でという無謀なことをしています・・・。
今年の6月に建物滅失登記を一度やってある程度基本は分かったので、今度は公的個人認証(JPKI)に基づく電子申請というものをやってみようと。→ [Security] 電子申告・電子申請の準備をやってみた.
<はじめに>
不動産登記について、業として代理できるのは司法書士、土地家屋調査士、弁護士だけです。司法書士は権利(所有権や抵当権)に関する登記を扱い、土地家屋調査士は表示に関する登記を扱います。建築士などの他人に有償で登記書類作成や登記代行を依頼することはダメです。
<表題登記の準備>
申請にあたり用意した書類は下記のとおり。
1.建物図面・各階平面図
建物図面は1/500、各階平面図は1/250。フリーのCADソフトJw_cadで作成。
雛形はこちらのページにあったので、それを使用してB4でプリント。
うちの場合各階平面図がちと複雑なので、結構苦労しました・・・・。
2.所有権証明情報
あえて所有権「証明書」、といわないのは電子申請だから。
下記のうちの2点以上らしい。今回はa、b、dを用意しました。
a.確認済証
確認申請書(第1面~第5面)もセットで。図面類は大量にあったのでつけませんでした。
b.工事完了引渡証明書
最終決済に先立って証明書を渡してもらえるか、工務店と交渉が必要。
工務店の印鑑証明書、資格証明書(代表者事項証明書)も添付します。
普通は検査後4~5日で入手。申請段階ではまだ入手できておらず。
d.建築請負契約書+領収書
持ち主となることを証明する契約書と領収書のセット。領収書は中間決済のもので可。
3.住所証明情報
あえて所有権「証明書」、住所「証明書」といわないのは電子申請だから。
電子申請の場合、証明書に現住所情報が含まれるので当初用意しませんでした。
が、補正が入り、住民票または住民基本台帳コードを要求されました。
<電子申請の準備>
とりあえず、面倒くさいけど書いておく。詳細はこちらのPDF(10.8MB)【容量注意】。
・Java実行環境(JRE)のインストール。
自動アップデートされた最新JREは危険。古いJREがある場合にはすべて外さないといけない。
・法務省オンライン申請システムのインストール。
「オンライン申請に必要なプログラム環境」といっているが、要はブラウザから呼び出すJarファイル群。
Cドライブのルートにmojというフォルダが作られ(!)、関連jarファイルやプロパティ類がぶちこまれる。
・認証局証明書組み込みバッチファイルの適用。
JREの証明書ストアに政府共用認証局(ブリッジCA)の証明書を組み込むだけのバッチファイル。
さらに
・登記申請書作成支援ソフトウェアのインストール。
XML形式で登記申請書を作るためだけのソフト。
・
PDFに電子署名するためのもの。Acrobat 5.0, 6.0, 7.0, 8.0(有料)に対応。
現在AdobeからはAcrobat 9.0しか入手できないが、これには未対応。
・
建物図面に電子署名するためのもの。2009年2月現在土地家屋調査士向けのみ。
なんかXMLとJavaとGPKIを金儲けの道具としてしか考えていないのではないかというくらい、某ベンダ製の複雑怪奇なジャングル状態。JREを使ってブラウザ1つで完了するでもなく、申請専用ソフト1本で終わるわけでもなく。利用者の視点などかけらもない。
電子申請では登録免許税を5000円下げるとか、表示登記をオンラインでやらないと保存登記の登録免許税を下げないとか、インセンティブをつけるのに法務省は躍起となっていますが、はっきり言って一生に一度しかない家作りの本人登記でこんなことは誰もやらんだろうというくらい面倒です。
じゃあ、電子申請だとペーパーレスになって、書面の提出がなくなるかというとそうでもない。
登記の調査官も紙でやったほうが楽というのが本音かと。詳細は次回に続く。