Oct 05, 2008
家作りを通して自分なりのスタイルを追求したいという場合、どうしても選択肢が限定されてしまいますね。
とりあえず9つくらい選択肢をあげてみて、自由度がないものから完全に自由なものまで、順を追って私なりの見解を書いてみます。東京都内、特に23区内に買う場合に絞って書いているため、「そこは違う」という点も多々あるかも。
まあ、土地購入に行き着いた一個人の独断に満ちた評価ということで・・・。
<★☆☆☆☆ 自由度ゼロ>
1.建売一戸建て
東京23区・都下の場合には「パワービルダー」と呼ばれる土地密着型の住宅会社が土地を一気に仕入れ、大量に仕入れた建材・設備で一気に建ててしまうことが多い。売出し前の若干広めの土地は駐車場かなんかで資産運用してる間に目をつけられて、素人に情報が回る前に即金で買われて3~4分割。半地下駐車場・3階建ての規格住宅が立ち並ぶことに。
2.分譲マンション(青田買い/キャンセル狙い)
2005年頃からREITのせいで事業投資価値があるとされる土地の値段が跳ね上がったため、分譲マンション相場もそれにつられて急騰。内外装のグレードも土地にあわせて高くなったようで、大手の新築マンション坪単価は信じられないくらい高かった。他方、品川の定期借地権マンションはその価格からか大反響。数少ないお値打ち物件に庶民が殺到する構図は当分変わりそうにない。
<★★☆☆☆ 自由度は期待できない>
3.建築条件つき土地
「建築条件」とは販売側の指定業者と通常3ヶ月以内に建築契約を締結すること。建売一戸建ては建築確認を受けないと広告できないという縛りがあるため、土地を仕入れた段階で「建築条件つき」として販売している。一見自由設計ができそうだが、実は図面と建物価格が決まっていて、実質的に1の建売と同じスペック。(でないと、3ヶ月で設計を終わらせて契約なんかできない。)
4.セレクトプランの分譲マンション(原則として青田買い)
売り手が供給を絞るとはいえ需要も冷え切っている。早期段階で契約する場合に内装の選択・変更ができるマンションもある。ただ、ロケーションそのものに魅力がある物件であれば、わざわざそんなことをしなくても買い手が集まってくるはず。セレクトプラン有り=物件の魅力無しというケースもあることに注意。
<★★★☆☆ ある程度自由>
5.土地購入&フランチャイズ系ローコスト住宅
3.の建築条件付きの売主との交渉次第では、価格を数パーセント上乗せすることで建築条件を外すことも可能。最近は資金繰りの関係からパワービルダー自身が手放す土地も散見されるから、建築条件が外せなくとも自由設計を呑ませることができるかもしれない。さほど建材・設備にこだわりがなく、間取りだけ変更したいのであればローコスト住宅も選択肢に上がるだろう。
6.土地購入&ハウスメーカー
運よく土地を購入できたら、一番オーソドックスなのは大手ハウスメーカー(プレハブメーカー)だろう。ただ都心の狭小土地(30坪未満)に対応したプランの場合には期待するような間取りが実現できないかもしれない。私は土地探しの最初からこの選択肢は除外したので、モデルハウスにはまったく足を運んでいない。
<★★★★☆ 自由設計>
7.中古住宅購入&リノベーション
住みたい街が決まっていてどうしても土地が見つからない場合には、中古住宅(戸建・マンション)を購入して再生する方法も。事務所兼用住宅やRCビルをスタイリッシュに再生して自分の好みの空間に仕上られたら、周囲からは羨望のまなざしがそそがれるに違いない。ただし、築20年超の古い物件は耐震性の面で不安があることも確か。リノベーションを多数手がけるプロの助けは必須だろう。
8.コーポラティブハウス
自分が住みたい街は、きっと、みんなも住みたい。となれば、皆が集まって協同でマンション建設組合を作ろう、というのがコーポラ。20世帯以下の小規模マンションを企画し、土地仕入から全体設計、建設会社の選定、各戸の設計と施工までを1年半~2年かけて自分達で決めていくが、最近はコーディネーター会社を介して進行させていくことが多い。ただ、地価高騰・建材高騰の余波もあり、手間が分譲マンションの倍以上かかるコーポラに対してコーディネーターも建設会社も薄利で頑張っているのが現実。
<★★★★★ すべて自由>
9.土地購入&工務店・設計事務所
最終的にウチが選択したのがこれ。土地探しに1年。企画・設計・施工に1年。土地先行ローンなど資金繰りの段取りが大変です。
結局戸建が自由設計で建てられればそれが一番ベスト。建築条件を外した土地さえ見つかればこちらのもの、なんですが、その土地を手に入れるまでには魔物がたくさん居るんですよねぇ・・・。