Sep 25, 2005
旅行中の行き帰りに読んでいた本です。9月25日に読了。
ブログ 世界を変える個人メディア
ダン・ギルモア
平 和博
朝日新聞社 (2005/08/05)
Amazon.co.jp で詳細を見る
ホリエモン推薦って帯はちょっと気に入らないものの、内容はとても骨があって、いろいろと考えさせられました。
一言で言うと、これはブログ本というよりもジャーナリズム論ですね。元サンノゼ・マーキュリーのコラムニストであったダン・ギルモアが、ジャーナリストの視点でブログやWiki、RSSなんかがどのようにして生まれてきたか、それらがどう「草の根ジャーナリズム」を形成し、社会に影響を与えていく可能性を秘めているのかを歴史的な視点から綴ります。
今までは記者と取材対象の紳士協定で「オフレコ」として済ませていた内容が、一個人(元読者=従来はマスメディアの読者だった人々)がリアルタイムでブログでリークできる現実。民主党予備選挙前の数ヵ月でディーン候補がブログを介した個人への寄付依頼によって4000万ドル以上を集め、形勢を変えたこと。ブログや匿名でのコメントという形で巧妙に行われるプロモーションやマーケティング活動。
これらの出来事はネット関連の仕事をしていると記憶の片隅に残る事柄ですが、改めて本で再整理されるとメディア企業とそこで働くジャーナリスト、編集者に求められる倫理は、従来とまったく変わらないことが分かります。逆に不特定多数の知識人(元読者)を巻き込めるだけ、その要求は厳しくなるのでしょう。
私にとってはコミュニケーション、メディア、コンテンツ、広告が相互にクロスしてくることが実感できる時代になったのだなぁ、という感想。こういった本を堂々と翻訳して出せる朝日新聞社はある意味肝が据わってますね。でも出版局と報道局、記者や編集者と経営層は似て非なるものだしなぁ。
ちなみにこの本自体、構想~下原稿までのすべてをブログで公開していたらしい。
英語なら、本と同じ内容をPDFで無料で読める。よっ、太っ腹、オライリー。
ブログ 世界を変える個人メディア
ダン・ギルモア
平 和博
朝日新聞社 (2005/08/05)
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ホリエモン推薦って帯はちょっと気に入らないものの、内容はとても骨があって、いろいろと考えさせられました。
一言で言うと、これはブログ本というよりもジャーナリズム論ですね。元サンノゼ・マーキュリーのコラムニストであったダン・ギルモアが、ジャーナリストの視点でブログやWiki、RSSなんかがどのようにして生まれてきたか、それらがどう「草の根ジャーナリズム」を形成し、社会に影響を与えていく可能性を秘めているのかを歴史的な視点から綴ります。
今までは記者と取材対象の紳士協定で「オフレコ」として済ませていた内容が、一個人(元読者=従来はマスメディアの読者だった人々)がリアルタイムでブログでリークできる現実。民主党予備選挙前の数ヵ月でディーン候補がブログを介した個人への寄付依頼によって4000万ドル以上を集め、形勢を変えたこと。ブログや匿名でのコメントという形で巧妙に行われるプロモーションやマーケティング活動。
これらの出来事はネット関連の仕事をしていると記憶の片隅に残る事柄ですが、改めて本で再整理されるとメディア企業とそこで働くジャーナリスト、編集者に求められる倫理は、従来とまったく変わらないことが分かります。逆に不特定多数の知識人(元読者)を巻き込めるだけ、その要求は厳しくなるのでしょう。
私にとってはコミュニケーション、メディア、コンテンツ、広告が相互にクロスしてくることが実感できる時代になったのだなぁ、という感想。こういった本を堂々と翻訳して出せる朝日新聞社はある意味肝が据わってますね。でも出版局と報道局、記者や編集者と経営層は似て非なるものだしなぁ。
ちなみにこの本自体、構想~下原稿までのすべてをブログで公開していたらしい。
英語なら、本と同じ内容をPDFで無料で読める。よっ、太っ腹、オライリー。
こちらこそ。(^^)
- Posted by kiku at 2005/10/21 (Fri) 01:57:08
ぴこりんさん、こんにちは。そちらの生活は落ち着かれましたか?私はこの本、アメリカのジャーナリズム観を強く反映している本ではないかとみています。これを2ちゃんねるをTV番組のネタとする日本や、ゴシップのあふれるUKでそのまま適用できるかは微妙ですよね。
日本のメディア・ジャーナリズムが腐ってる原因は、実は読者にもあると主張する学者もいます。記者クラブ発表という同じソース。不偏不党といいながら実は提灯持ち。全体に流され、サラリーマン記者達が似たようなセンセーションを煽ることを日常のものとして受け入れてしまう読者の質の低さが、ジャーナリズムの質の低さそのものだ、と。
その意味ではジャーナリストの質が低いうちは、単純に普通の人がそれの真似事をしてもそれが増幅されるだけかも。
複数の情報のソースをとって個人個人が事実を見極める、、って傾向は日本<欧州<米国の順に強くなっていくのではないかなぁ。日本では確かにそこまで成熟化するには時間がかかるでしょうが、そこは狭い島国。人と人とのつながりがそれを補っていくのかもしれません。ではでは
ありがとうございます
- Posted by ぴこりん at 2005/10/21 (Fri) 02:06:23
早速のお返事、ありがとうございます。うーん、アメリカのメディア・リテラシーって、そんなに進んでいるのですか?
USのみならず、ここ英国やその他欧州も含め、情報解読能力の個人差が極端なの
かも知れませんね。
日本の平均点の低さが痛いところ。優れた人は稀少か、いてもネットという
メディアを使わなかったり、信用していなかったりしますしねえ。
アメリカのリテラシー
- Posted by kiku at 2005/10/21 (Fri) 04:05:35
私も伝え聞いた話なので確かなことは言えませんが、アメリカではブログが注目される前から個人ニュースサイト的なものが結構あって、初期のブログも他サイトの引用と批評を中心としたジャーナリスティックなものが多かったようです。#、、、、ってマジで受け売り状態かも。(^^;
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This blog can only accept your comment in Japanese.
If you want to comment me, please start with greetings using 2-byte chars. :-)
Thank you for your understanding.
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http://blog.bywaysideway.com/Misc/1128853784.tb
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この本、面白そうですね。英語で読んだらただですか ^_^
「普通の人々による情報発信」というのは、とても関心のあるテーマなのですが、
日本語によるものだけを読んでいると、広告と見分けがつかないものか、ひどく
イデオロギー的なものか(どちら側もです)が目につき、なんだか疲れてしまう
うえに、がっかりしてしまいます・・・とはいえ、読んじゃう私が悪いんです。
多数の情報の中から行間や隙間を読む、そうして事象のしかるべき姿を見定める、
という姿勢は、発信側のみならず受信側にも今後ますます求められると思われま
すが、そんな真面目なことを言ってる人間がまだ少数なのかもしれません・・・。
まあ、「ネットを使って有名人になりたい」位の普通の人がいるくらいですか
ら、ちゃんとしたジャーナリズムが普通の人から出てくるのには、まだまだ時間
がかかるのかもしれません。