byway, sideway

書ける範囲で仕事のことを。

今の会社では、転職以来３年くらいずっと「携帯電話のセキュリティもの」をやってきました。転職前にいた暗号技術のベンチャー企業での４年弱の期間を含めると７年間、公開鍵インフラ（PKI）という技術とずっと関わってきました。7年前の1997年というのはあの日本ベリサインが設立された翌年。暗号技術をセキュリティ・ビジネスに応用していく、この分野にはとても愛着があります。

ケータイの暗号セキュリティというマイナーな分野であっても、世界を見渡せば真剣にやってる奴らが結構いました。そんな人たちと一緒になって開発して、この冬商戦に出すことになった世界共通仕様の３G端末では、コンテンツ保護の手段として暗号技術（DRM技術）を実装しています。また先に講演したようにJavaのセキュリティ策としてもPKI方面の実装がされてその利用が始まろうとしているところです。

「暗号系技術をケータイ業界でブレイクさせることは難しく、なかなかマイナーな分野として苦戦するだろう」、と転職当初は考えてたのですけど、ここ3年間でそれなりに「面白い種まき」ができたのでは？と自負しています。ここ数ヶ月で急にフル・ミュージック・ダウンロードやJavaウイルス騒ぎなど、時代も追いついてきました。DRMを使ってこの冬からは「超流通」(Superdistribution)という新しいビジネスモデルの模索も始まります。開発屋としてはなかなか面白い展開になってきました。

でも、会社勤めの身には人事異動が降りかかってきます。この12月からは開発とは別のお仕事をしていくことで、セキュリティ関連の技術そのものからはちょっと距離を置くことになりそうです。でも、違う立場からまた面白い種がまけるといいなあ、とちょっと楽しみにしてたりもしています。３年後はどうなっているかわからないのがこの業界ですし。

いまは苦戦しているうちの会社も３年前は写メールで有頂天だったんですから。