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Jan 10, 2005


[Leadership] 雑記事が管理職を腐らせる 00:03
最新号の日経ビジネスに、高尾慶二さん(写メールの生みの親)を取材した記事「組織が人を壊す時」が掲載されていました。要約すると、下記のようになります。
  • 会社が外資系になって目標管理が縦割りになり、組織の壁や利害を越えた連携がやりにくくなった。
  • 高尾氏は人と人の繋がりが失われてしまったと感じたので昨年9月に退職。
  • 2004年6月の早期退職制度を契機に同じ思いからやめていった人たちも多いようだ。
  • 彼自身としては早期退職制度は(自分がやったことを否定する事になり)嫌なので使わなかった。
  • これからは新規参入を狙う通信事業者に対してコンサルタントの立場で新しいことをやっていきたい。
高尾さんがモチベーションを無くし会社を離れていってしまったのは残念なことですが、この記事は取材内容を短くまとめすぎてて、彼の本意ではない部分がいくつか強調されているような印象を受けました。雑誌記事は得てしてそんなものでしょうけど、私が違うなと思った部分を中心にあえて記事に反論をしてみます。
  • 目標管理制度(MBO:Management by Objective)は2001年以前からあった。
    外資になったことが、目標管理が縦割りになった理由ではない。あくまで事業会社の組織の問題は各事業会社のCEOマター。津田新社長は「One Team」コンセプトを打ち出し、それを改善しようとしているのではないだろうか。
  • 彼のモチベーションが下がったのはMBOの運用面。
    グループ傘下になってからMBOの運用が厳密となったのは事実。管理職にとっては面倒なことしきりだろう。また、責任の所在を明確にするため、Job Description(職務記述書)を定義するようになった。これも面倒。ただし、MBOの概念は20年前からありその運用面に問題があるというのは近年人事管理(HRM)の研究者が言い続けていること。
  • MBOの問題が顕在化した要因には、市場構造の変化もある。
    業界の急成長と写メールブームで、組織の問題点が顕在化しなかっただけともいえるのでは?市場の成熟化&従来ビジネスモデルの飽和とともに、各社とも戦略の見直しをする必要が出てきた。これに伴って、従来の目標管理の弊害が顕在化したともいえるのではないか。
これらのことから、外資になったから縦割りになったというのは正確ではないと思います。外資になり責任の所在を明確にすることが求められ、チームが新しいことをやるうえで管理職(ラインマネジャー)が苦労する部分が増えたというのが正確なニュアンスだと思います。

日本の会社だったときには(責任の所在があいまいだったので)縦割りの組織を崩すのも容易だった。一個人の情熱だけで新事業に突っ走れた。これが外資系になったとたんシステマチックになったので難しくなったと。まあ、そんなところではないのでしょうか。彼の場合、彼自身が自分のスタイルで仕事をすることが難しくなったと感じたので、コンサルタントという立場に身をおかれる決断をされたのだと思います。

3000人前後だった日本の会社が、世界60000人規模のグループ企業の一員になったわけですから当然いろいろとありますよ、そりゃ。でも責任の所在を明確にすることは、悪いことではないはずなんですが。たとえばマネックス社長を取材したこんな記事。(※批評のために長文を引用するとまずそうなので、できれば原文の末尾の「問」と「答」を読んでください。)

nikkeibp.jp-過去記事(「組織が人を腐らせる」-松本大マネックス証券社長)

最近、気づいたのですが、よく日本では「責任を取る」と言うじゃないですか。ところが、英語で「責任を取る」という表現はないんですよ。responsibleは「責任がある」という意味。つまり、責任というのは、最初から誰にあって誰にないのか分かっているべきことなんです。

日経ビジネスアソシエ2002年10月号より引用 © 2005 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.
最近、気付いたのですが、日本の競争力衰退の一端はメディアにも責任がありますね。雑誌メディアが管理職を腐らせているんです。今の出版界の現状を見れば明らかでしょう。たとえばマスコミ受けする企業人の退職が発覚して、ビジネス雑誌を賑わせるじゃないですか。その上、欧州と日本の企業慣習の違いには一切触れず「縦割り組織の弊害」だけを強調して、当事者の片方だけのコメントなのに企業ロゴを使用して、読者から600円ふんだくっても許されるんですから。もう、めちゃくちゃですよ。(笑)

日経BP社の雑誌は居酒屋での愚痴代わりじゃないのですから。管理職を腐らせない前向きな記事を書いてもらいたいものです。
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